こんにちは、コテツです。
オーディオブックを日常的に利用している人は8.51% どういうものか知らない人が43.61%という調査結果があります。(https://mag.app-liv.jp/archive/145781/2023年:ナイル株式会社「Appliv TOPICS」 )
そして利用者は増加中です。
本を聴きながら寝落ちする人たち(コテツの仲間)が増えています。
一方、本は読むもの、聴く本なんて意味がないというご意見もあるかもしれません。
こちらの記事はオーディオブックに興味のある方に向けたガイドブックです。
オーディオブックを利用するメリット・デメリットもご参考になさってください。
オーディオブックとは?その価値と意味
オーディオブックとは、書籍の内容を音声で聴くことができるメディアのことを指します。
1980年代には「カセットブック」「カセット文庫」などと呼ばれ、カセットテープやCDで販売されていましたが、普及しませんでした。
現在では、スマートフォンとワイヤレスイヤホンの普及・インターネット配信サービス・定額聴き放題サブスクリプションサービスの登場により、利用が拡大しています。
オーディオブックの基礎知識
オーディオブックは、プロのナレーターが書籍を朗読した音声をデータ化した「聴く本」です。
スマートフォンアプリや専用ウェブサイトを通じて利用します。
オーディオブックのジャンルは、ビジネス・自己啓発・文芸・ミステリー・ライトノベル・語学・教養・実用・科学・歴史など多岐にわたり、書店同様です。
提供サービスや利用者の年齢層によって人気ジャンルには違いが見られます。
総じて「ビジネス」「自己啓発」「文芸」「語学」が人気です。
料金体系は、1冊ずつ購入する形式・月額制で聴き放題になるサブスクリプションサービスなどがあります。
オーディオブックがもたらす読書革命
オーディオブックは読書の選択肢を大きく広げています。
オーディオブックが登場するまで、読書には革命ともいうべき幾つかの大きな節目があったといえるでしょう。
点字がなかったころ、読むことに困難を抱えている人は、誰かに読んでもらうことしかできませんでした。
19世紀に点字が発明されて指で触れて読むことができるようになったのが、最初の読書革命です。
ただ、本を一冊点訳するのには大変な労力を必要とします。
機械化・PCの導入は点訳にかかる時間と手間を減らし、点字本の普及に大きく貢献しました。これが第二の読書革命。
そして今、第三の読書革命の到来です。
点字が発明される前の、誰かに読んでもらう読みきかせには違いありません。
決定的に違うのは、音声がデジタル化され、誰に気兼ねすることもなく好きなときに好きなジャンルの本を聴くことができるという点です。
オーディオブックのメリット
オーディオブックのメリットを挙げてみましょう。
移動中や運動中でも楽しめる便利さ
ゆっくり読書する時間がなかなかとれない社会生活。
オーディオブックなら「ながら聴き」で時間を有効活用できます。
家事をしながら、移動しながら、運動しながら、入浴しながら、同時進行で読書を楽しめるのは大きなメリットです。
スマートフォン・タブレットなどの端末があれば、いつでもどこでも利用可能です。
再生速度を調整することで、短い時間で多くの情報をインプットでき時間の効率化も図れます。
本を「読む」という行為の負担軽減
読書が苦手な人でも、音声で内容を把握できるので、読書への抵抗感が軽減されます。
学習障がい・識字障がい(ディスレクシア)のために読むことに困難を抱えている子どもたちにとってもまた大人にとってもたいへん強い味方です。
またスマホ・PCの画面で目を酷使している現代人(久々に使ったなあ、ゲンダイジン!)にとって、目を休ませながら読書ができるスタイルは身体的な負担も減らしてくれます。
脳に与えるポジティブな効果とは?
聴覚からの情報処理は、文字を読むのとは異なる脳の領域を活性化させてくれます。
また、同じ内容を繰り返し聴いているうちに文章やフレーズが記憶に定着するのは、経験上よく知られていることです。
そのうえ、好きな声優やナレーターが朗読している場合、音声作品としての魅力が高まります。
プロの朗読による感情表現や声の抑揚は、聞く人の感情移入を容易にし、想像力を豊かに育むでしょう。
コストパフォーマンスと無料体験の活用法
オーディオブックサービスには定額聴き放題プランがあります。
月額1,500円前後で多くのオーディオブックが聴き放題になるプランです。
定価が2,000円近い本も聴き放題に含まれるため、多くの本を読む人にとっては、個別に購入するよりもコスパが高いと感じられるでしょう。
また、多くのオーディオブックサービスでは無料体験期間が設けられています。
まずは無料体験に登録し、多くのタイトルを聴いてみるのがおすすめです。
無料体験期間中に、聴きたいジャンルの作品やサービスの特徴を体験し、自分に合ったサービスを見つけましょう。
英語学習におけるオーディオブックの有効性
語学はオーディオブックと非常に相性がよいジャンルです。
たとえば英語のテキストを購入すると、本と一緒にCDが付いてきますが、オーディオブックは一人二役?
オーディオブックを利用すれば、ネイティブの発音やリズムに触れることができます。
オーディオブックの音源を使ってシャドーイングを行うことで、リスニング・リーディング・スピーキングの力を同時に鍛えることが可能です。
実際に20代以下のオーディオブック利用者には、語学のジャンルが最も人気を集めています。
オーディオブックのデメリット
どんなものにも必ず一長一短あるように、便利なオーディオブックにもデメリットはあります。
集中力の維持が難しい
ながら聴きができる反面、集中して聴かないと内容が頭に入ってこないことがあります。
リラックスして聴いていると眠くなってしまうことも。これはオーディオブックならではのメリットなのかデメリットなのか。
再生速度の調整がもたらす影響
速度を上げすぎると、文章の細かなニュアンスが伝わりにくくなり、理解が追いつかないことがあります。
特に、専門的な内容や複雑な説明が含まれる場合、速度を上げると肝心なポイントを聴き逃してしまいかねません。
また、紙媒体のように自分のペースで飛ばしたり戻ったりすることが難しいため、テンポが合わないとストレスを感じることもあります。
声優やナレーターの影響
声優・ナレーターの声質や演技の好き嫌いによって、内容の理解度や感情移入のしやすさが変わります。
かといって感情移入しすぎるのも考え物です。
感情移入してずっと聴いたままでいると、疲れ果ててしまいます。
これは自分のペースで能動的に読める紙の本にはないデメリットですね。
書籍のラインナップ
すべての書籍がオーディオブック化されているわけではありません。
自分が読みたいジャンルであっても、紙の本より数が少ないのはつらいところです。
読みたい本がオーディオブックとして提供されているかは各サービスのライナップを確認する必要があります。
書き込みができない
オーディオブックは語学学習に最適なツールですが、残念ながら書き込みができません。
語学学習に限らず、読書しながら線を引いたり書き込んだりしたい人にとっては大きなデメリットでしょう。
メモを取る習慣のある人には不向きかもしれません。
お勧めのオーディオブックサービス
おすすめのオーディオブックサービスは、聴き放題を重視するなら「Amazon Audible」、特定のジャンルやコスパを重視するなら「audiobook.jp」が人気を集めています。
また、ビジネス書の要約を聴きたい場合は「Flier(フライヤー)」、幅広いジャンルの作品を聴きたいなら「Himalaya(ヒマラヤ)」などがおすすめです。
Amazonのオーディオブック「Audible」
Audible(オーディブル)は、いつでもどこでも気軽に音声コンテンツを楽しむことができる、Amazonの世界最大級オーディオエンターテインメントサービスです。
俳優・声優陣が朗読するオーディオブック、ポッドキャストを配信しています。
プレミアムプランなら数十万以上の対象作品が定額聴き放題です。
30日間の無料体験後は月額1,500円。いつでも退会できます。
Audible (オーディブル) – 本を聴くAmazonのサービス【関連記事:名作を聴く!オーディブル聴き放題で出会う11のカテゴリーから選ぶ人気ラインナップ一覧】
日本最大級のラインナップ「audiobook.jp」
audiobook.jpは株式会社オトバンクが運営する日本最大級のラインナップを誇るオーディオブックサービスです。
特に日本のビジネス書や自己啓発書の品揃えが良く、国内の人気作を効率よく聴きたい人に向いています。
定額制の聴き放題プランのほかに、作品ごとに購入するチケット制のプランもお得です。
audiobook.jpはAudibleと並んでオーディオブックサービスをけん引しています。
新作続々追加!オーディオブック聴くなら – audiobook.jp
【関連記事:日本最大級のオーディオブックサービスaudiobook.jpの会員登録から解約まで徹底解説!】
無料で試せるオーディオブックアプリ
無料でオーディオブックを試すには、Amazon Audibleやaudiobook.jpなどの有料サービスの無料体験期間を利用する方法があります。
もう一つは、Himalayaなどの一部無料コンテンツを提供するサービス、著作権が切れた作品を利用できる青空朗読やHQオーディオブックなどのアプリを使う方法です。
オーディオブック市場の未来
オーディオブック市場は、今後ますます成長が期待されています。
技術革新や新しいトレンドが市場に影響を与えていくのは必至です。
今後のトレンドと音声生成AIによる技術革新
世界的にオーディオブック市場は今後も高い成長が見込まれており、2030年以降も年平均成長率(CAGR)が数%から数十%に達すると予測されています。
その著しい成長をけん引するのが音声AI生成オーディオブックの登場です。
音声AI生成オーディオブックは、テキスト化された書籍の内容をAIが読み上げて音声データ化してつくられます。
音声生成AI技術(音声合成技術)によって既に実用化されているプラットフォームです。
出版の効率化・著者の負担軽減・著者本人の声でのオーディオブック制作・多言語展開、そして読書体験の多様化などが可能になります。
遂にここまで来たかという感が否めません。
声優の重要性とナレーションの進化
近年急速に進化しているAI音声生成は、テキストを人間のような自然な音声に変換する技術です。
動画制作・プレゼンテーションの場では、人間のナレーションが不要になりつつあります。
既に2024年には、Amazonの子会社であるAudibleが、プロのナレーターの声を使用してAIを訓練し、新しいオーディオブック録音を生成する計画を発表しています。
今後、オーディオブックはナレーターとAIが共同で製作する作品になることを示唆する発表でした。
AudibleのAIナレーション導入計画が、声優文化の本家本元ともいえる日本でどのような影響を与えていくのか今はまだ予測の域を出ません。
アニメの声優さんが交代するだけで大騒ぎする日本人、風の音で秋を感じる日本人、虫の音(ね)が聞き取れる日本人です。
似て非なるものという言葉があります。
機械で合成された声はしょせんクローンに過ぎません。
AIが先鋭化すればするほど、血の通った声優さんのナレーションは貴重になります。
今後、オーディオブックのプラットフォームでは、AIで十分な完成度の作品が多数を占めることでしょう。
人気を博する声優さんの作品はPremiumになるのかもしれませんね。
オーディオブックで読書をあきらめない人生を!
オーディオブックにはメリットもあればデメリットもあります。
メリットは、ながら聴きができること・読書の負担軽減・脳の活性化・コスパの良さ・語学学習に向いていることです。
デメリットは、集中力の維持や再生速度の調整の難しさ・感情移入し過ぎても疲弊すること・ラインナップの乏しさ・書き込みができないことです。
オーディオブックにも生成AIが登場し、今後ますます進化していくことでしょう。
読書は世界を無限に広げます。
読むことに困難を抱えている方には新しい世界の到来です。
また人間は誰しも年を取ると視力が衰えていきます。
本を聴くことができれば読書をあきらめない人生を送れる、それがオーディオブックの最大の功績だと思います。