こんにちは、海外ミステリーファンのコテツです。

創元推理文庫とハヤカワミステリーが三度のご飯とおやつの次の次くらいに大好きでした。子ども心にも、日本のミステリーは現実味がありすぎるのと怪奇談の色合いが強くて敬遠。

配信サービスでも専ら見るのは海外のミステリー。区別が難しいのですが、刑事もの・探偵もの・スパイの世界まで多少なりとも推理の匂いがするものはチェックしています。

アクションに偏りすぎるものやサスペンス色が強いものは外して、どちらかといえばシットコム寄りです。

そんなコテツの傾向と対策に応えてくれる配信サービスの一位は、(今のところ)Huluに落ち着いています。同じく海外ミステリーに興味のある方に向けて、こちらの記事を書きました。

Huluの海外ミステリーで視聴できる古典的名作を4つご紹介します。他サービスで全て見たことがある方も多いことでしょう。語り合えないのが悲しいくらい残念です。

Hulu海外ミステリーなぜこの4作をお奨めするか?

Huluで配信される膨大な海外ミステリー作品の中から、古典的名作4作に絞った理由は大きく四つの観点に基づいています。

まずは脚本の面白さと構成力、次に主演俳優の魅力と演技力、さらに映像表現やロケーションの使い方、そして重要な点として過度な猟奇的描写が少なく、幅広い視聴者が安心して楽しめる点を重視しました。

脚本の面白さ

脚本の面白さとは単に謎ときの面白さではありません。それぞれの人物像がリアルに描かれていることが脚本の肝になります。

事件を織りなす登場人物の動機が丁寧に描かれ、伏線の回収が気持ちよく行われること、そして観る側に小さな驚きや納得感を与える構成が重要です。

加えて会話劇や心理描写がしっかりしていると、推理以外の人間ドラマとしても楽しめます。

今回選んだ4作は、どれも脚本の骨組みがしっかりしており、推理だけでなく人物理解を深めることで満足度が上がるタイプの作品です。

主演の魅力と演技力

どんなドラマでも主演の魅力と演技力が作品の質を左右します。

名探偵や腕利きの捜査官、町の人々など役柄の深みを演じ分けられる俳優がいると、単なるトリック披露以上の感情移入が生まれます。

今回取り上げた作品群は主演が強い個性や繊細な表現力を持ち、視聴者がキャラクターに引き込まれていく要素が豊富です。

特に人間関係の機微を描く場面で演技力が物語を支えるため、繰り返し観ても発見がある作品を選びました。

イギリスのドラマが多いのは、シェークスピアの国だからです。たとえばBBCドラマというだけで、重厚感(陰鬱さ)漂う作りは否めませんが、とにかく女優も俳優も主演・脇役の別なく演技が上手い!

映像美

映像美はとくに海外ミステリーにおいて雰囲気作りの核です。

ロケ地の風景、画角の選び方、色合いと照明は緊張感や寂寥感、安心感を巧みに演出します。さらにロケ地が風光明媚な場所であれば、観る楽しみは二倍三倍です。

また、映像表現が優れていると、小さな日常描写にも意味が出てきて、謎の提示や伏線が視覚的に補強されます。

今回の4作は撮影や美術に工夫があり、場面ごとの空気感を味わうだけでも満足できる作品を中心に選びました。

猟奇的でないこと

本記事で重視したもう一つの条件は猟奇的な描写が極力ないことです。

流血沙汰のショック要素を避けたい視聴者や家族で楽しみたい方に配慮し、推理や心理劇を中心に据えた作品を選びました。

暴力描写や残酷描写が控えめでも、緊張感やスリルを感じられる作品は数多く存在します。その中から「推理の楽しさ」と「安心して観られる娯楽性」を両立できる4作を厳選しました。

Hulu海外ミステリーお奨め1「刑事コロンボ」

(ナンダロ, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons)

実は、コテツがHuluを契約したのは『刑事コロンボ』を観るためでした。

『刑事コロンボ』は推理ドラマの古典中の古典で、Huluでも安定した人気を誇る作品です。

特徴的なのは、犯人の行動を視聴者が知っている設定で謎解きの過程を見せる手法。またピーター・フォーク(Peter Michael Falk)演じるコロンボの尽きせぬ魅力。一見ボロボロに見える風貌と軽口で相手の油断を引き出す演技で、各エピソードで用意された巧妙なトリックを崩していく、その完成度は他の刑事ものの追随を許しません。

猟奇性はほとんどなく、古典的な密室劇や心理戦を安心して楽しめる作品です。

「刑事コロンボ」 作品のあらまし

「刑事コロンボ」(Columbo)は、アメリカのリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクによって生み出された、ミステリードラマの金字塔です。

全69話のうち1話を除いて、視聴者に犯行を最初に見せる「倒叙ミステリー」の形をとっています。その後登場するヨレヨレのレインコートを着た冴えないコロンボが、鋭い観察眼で犯人を追い詰めていく心理戦は繰り返し見ても飽きることがありません。

3作目からシリーズ化されましたが、その監督はスティーヴン・スピルバーグ当時24歳!

毎回、主な登場人物はコロンボと犯人だけです。犯人役として現れるゲストがこれまた素晴らしい超豪華なスター役者ばかり。

62作目「恋におちたコロンボ(It’s All In The Game)のゲストはフェイ・ダナウェイ!恋におちても仕方がない。

以下は、全エピソードのタイトルと犯人役のゲストスターの一覧です。

(※60のゲストは犯人ではありません)

タイトルゲストスター
1殺人処方箋 (Prescription: Murder)ジーン・バリー
2死者の身代金 (Ransom for a Dead Man)リー・グラント
3構想の死角 (Murder by the Book)ジャック・キャシディ
4指輪の爪あと (Death Lends a Hand)レイ・ミランド
5ホリスター将軍のコレクション (Dead Weight)エディ・アルバート
6二枚のドガの絵 (Suitable for Framing)ロス・マーティン
7もう一つの鍵 (Lady in Waiting)スーザン・クラーク
8死の方程式 (Short Fuse)ロディ・マクドウォール
9パイルD-3の壁 (Blueprint for Murder)パトリック・オニール
10黒のエチュード (Etude in Black)ジョン・カサヴェテス
11悪の温室 (The Greenhouse Jungle)レイ・ミランド
12アリバイのダイヤル (The Most Crucial Game)ロバート・カルプ
13ロンドンの傘 (Dagger of the Mind)リチャード・ベースハートホナー・ブラックマン
14偶像のレクイエム (Requiem for a Falling Star)アン・バクスター
15溶ける糸 (A Stitch in Crime)レナード・ニモイ
16断たれた音 (The Most Dangerous Match)ローレンス・ハーヴェイ
17二つの顔(Double Shock)マーティン・ランドー
18毒のある花(Lovely but Lethal)ヴェラ・マイルズ
19別れのワイン (Any Old Port in a Storm)ドナルド・プレザンス
20野望の果て (Candidate for Crime)ジャッキー・クーパー
21意識の下の映像(Double Exposure)ロバート・カルプ
22第三の終章(Publish or Perish)ジャック・キャシディ
23愛情の計算(Mind Over Mayhem)ホセ・フェラー
24白鳥の歌(Swan Song)ジョニー・キャッシュ[
25権力の墓穴(A Friend in Deed)リチャード・カイリー
26自縛の紐(An Exercise in Fatality)ロバート・コンラッド
27逆転の構図(Negative Reaction)ディック・ヴァン・ダイク
28祝砲の挽歌(By Dawn’s Early Light)パトリック・マクグーハン
29歌声の消えた海(Troubled Waters)ロバート・ヴォーン
30ビデオテープの証言(Playback)オスカー・ウェルナー
315時30分の目撃者(A Deadly State of Mind)ジョージ・ハミルトン
32忘れられたスター(Forgotten Lady)ジャネット・リー
33ハッサン・サラーの反逆(A Case of Immunity)ヘクター・エリゾンド
34仮面の男(dentity Crisis)パトリック・マクグーハン
35闘牛士の栄光(A Matter of Honor)リカルド・モンタルバン
36魔術師の幻想(Now You See Him)ジャック・キャシディ
37さらば提督(Last Salute to the Commodore)ロバート・ヴォーン
38ルーサン警部の犯罪(Fade in to Murder)ウィリアム・シャトナー
39黄金のバックル(Old Fashioned Murder)ジョイス・ヴァン・パタン
40殺しの序曲(The Bye-Bye SkyHigh IQ Murder Case)セオドア・ビケル
41死者のメッセージ(Try and Catch Me)ルース・ゴードン
42美食の報酬(Murder Under Glass)ルイ・ジュールダン
43秒読みの殺人(Make Mea Perfect Murder)トリッシュ・ヴァン・ディヴァー
44攻撃命令(How to Dial a Murde)ニコール・ウィリアムソン
45策謀の結末(The Conspirators)クライヴ・レヴィル
46汚れた超能力(Columbo Goes to the Guillotine)アンソニー・アンドリュース
47狂ったシナリオ(Murder, Smoke and Shadows)フィッシャー・スティーヴンス
48幻の娼婦(Sex and the Married Detectiv)リンゼイ・クローズ
49迷子の兵隊(Grand Deceptions)ロバート・フォックスワース
50殺意のキャンバス(Murder, a Self-Portrait)パトリック・ボーショー
51だまされたコロンボ(Columbo Cries Wolf)イアン・ブキャナン
52完全犯罪の誤算(Agenda for Murder)パトリック・マクグーハン
53かみさんよ、安らかに(Rest in Peace, Mrs. Columbo)ヘレン・シェイヴァー
54華麗なる罠(Uneasy Lies the Crow)ジェームズ・リード
55マリブビーチ殺人事件(Murder in Malibu)アンドリュー・スティーヴンス
56殺人講義(Columbo Goes to College)スティーヴン・キャフリーゲイリー・ハーシュバーガー
57犯罪警報(Caution:Murder Can Be Hazardous toYour Health)ジョージ・ハミルトン
58影なき殺人者(Columbo and the Murder of a Rock Star)ダブニー・コールマン
59大当たりの死(Death Hits the Jackpot)リップ・トーン
60初夜に消えた花嫁(No Time to Die)ジョアンナ・ゴーイング
61死者のギャンブル(A Bird in the Hand..)グレッグ・エヴィガン
62恋におちたコロンボ(It’s All In The Game)フェイ・ダナウェイ
634時02分の銃声(Butterfly In Shades Of Grey)ウィリアム・シャトナー
64死を呼ぶジグソー(Undercover)エド・ベグリー・Jr
65奇妙な助っ人(Strange Bedfellows)ジョージ・ウェント
66殺意の斬れ味(A Trace of Murder)デヴィッド・ラッシュシーラ・ダニーズ
67復讐を抱いて眠れ(Ashes to Ashes)パトリック・マクグーハン
68奪われた旋律(Murder With Too Many Notes)ビリー・コノリー
69虚飾のオープニング・ナイト(Columbo Likes the Nightlife)マシュー・リスジェニファー・スカイ

「刑事コロンボ」ここにも注目!

見どころ満載の刑事コロンボですが、Huluで視聴する際の注目ポイントを少しだけ。

▶定番のセリフ①一度去ったかと思いきやすぐに戻ってきて犯人に圧をかける「最後にもうひとつだけ”Just one more thing…”」②一度も登場しないがおなじみの奥さん「うちのカミさんがね……”My wife…”」

▶愛車はガタピシのボロボロだが実は名車!超希少なプジョー(Peugeot)403 カブリオレ!コテツも猫足プジョーファン(これは蛇足)

▶日本では吹替版コロンボ(声:小池朝雄)が有名!悪役で鳴らした小池さんの声はドスのきいた低音だが小柄なピーター・フォークの声は高めなのでギャップに驚く

ピーター・フォークなき後も世界中で支持され続ける刑事コロンボ。あの米国で、視聴率を上げるための煽情的な暴力・性描写に頼らず、質の高いミステリーを作り続けることができたのです。やればできるじゃん、アメリカ!Netflixもがんばれよ。

Hulu海外ミステリーお奨め2「名探偵ポワロ」

(グッドウィルゲームズ, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons)

Hulu海外ミステリーおすすめの2作目は「名探偵ポアロ」(原題:Agatha Christie’s Poirot)!

アガサ・クリスティの推理小説を原作とした、世界的に有名なテレビドラマシリーズです。

イギリスのITVで1989年から2013年まで放送されました。主演のデヴィッド・スーシェは、外見や癖、独特の歩き方まで徹底的に作り込み、「原作に最も近いポアロ」と絶賛されています。全70エピソードが制作され、ポアロが登場する短編・長編のほぼすべてが映像化されました。

コテツは、アガサ・クリスティーはハヤカワミステリー文庫全編購入。犯人がわかっても忘れたふりして繰り返し繰り返し読みました。あの熱意を受験に注げたらオックスブリッジに行けてた?

「名探偵ポワロ」作品のあらまし

デヴィッド・スーシェ(Sir David Suchet)演じるエルキュール・ポアロ(Hercule Poirot)は、ベルギー出身の名探偵。ベルギー警察で活躍していた警察官でしたが、退職後、第一次世界大戦の戦禍を逃れてイギリスへ避難してきました。やがてロンドンに居を構え、探偵として再出発したポワロはさまざまな難事件を解決し名声を得ていきます。

原作に忠実にドラマ化されましたが、大きく異なるのはポアロを取り巻く登場人物、いわばポワロファミリーの存在が欠かせないことです。

〇ポワロの親友ヘイスティングス、演じるのはヒュー・フレイザー (Hugh Fraser)

〇スコットランド・ヤードのジャップ警部、演じるのはフィリップ・ジャクソン (Philip Jackson)

〇ポワロの秘書ミス・レモン、演じるのはポーリーン・モラン (Pauline Moran)

ミス・レモンが去った後は、ジョージと言う従僕が代わりを務めます。ほぼすべてのエピソードに登場する個性豊かで愛すべきポワロファミリー。この点に限っては原作よりドラマが断然おもしろいです。

原作のミス・レモンも有能な女性だけど、ドラマのミス・レモンを演じたポーリーン・モランさんは魅力の増幅装置。演技もファッションも髪型までも楽しませてくれる。ミス・レモンあってのポワロ。BBC海外ミステリー「ブラウン神父」のマッカーシー夫人と同じ。脱線しますが、マッカーシー夫人がいなくなってから「ブラウン神父」は迷走している感あり(コテツの愚痴)
タイトル
1コックを捜せ (The Adventure of the Clapham Cook)
2ミューズ街の殺人 (Murder in the Mews)
3ジョニー・ウェイバリー誘拐事件 (The Adventure of Johnnie Waverly)
424羽の黒つぐみ (Four and Twenty Blackbirds)
54階の部屋 (The Third Floor Flat)
6砂に書かれた三角形 (Triangle at Rhodes)
7海上の悲劇 (Problem at Sea)
8なぞの盗難事件 (The Incredible Theft)
9クラブのキング (The King of Clubs)
10夢 (The Dream)
11エンドハウスの怪事件 (Peril at End House)
12ベールをかけた女 (The Veiled Lady)
13消えた廃坑 (The Lost Mine)
14コーンワルの毒殺事件(The Cornish Mystery)
15ダベンハイム失そう事件 (The Disappearance of Mr. Davenheim)
16二重の罪 (Double Sin)
17安いマンションの事件 (The Adventure of the Cheap Flat)
18誘拐された総理大臣 (The Kidnapped Prime Minister)
19西洋の星の盗難事件(The Adventure of the Western Star)
20スタイルズ荘の怪事件 (The Mysterious Affair at Styles)
21あなたの庭はどんな庭? (How Does Your Garden Grow?)
22100万ドル債券盗難事件 (The Million Dollar Bond Robbery)
23プリマス行き急行列車 (The Plymouth Express)
24スズメバチの巣 (Wasps’ Nest)
25マースドン荘の惨劇 (The Tragedy at Marsdon Manor)
26二重の手がかり (The Double Clue)
27スペイン櫃の秘密 (The Mystery of the Spanish Chest)
28盗まれたロイヤル・ルビー (The Theft of the Royal Ruby)
29戦勝舞踏会事件 (The Affair at the Victory Ball)
30猟人荘の怪事件 (The Mystery of Hunter’s Lodge)
31ABC殺人事件 (The ABC Murders)
32雲をつかむ死 (Death in the Clouds)
33愛国殺人 (One, Two, Buckle My Shoe)
34エジプト墳墓のなぞ (The Adventure of the Egyptian Tomb)
35負け犬 (The Underdog)
36黄色いアイリス (The Yellow Iris)
37なぞの遺言書 (The Case of the Missing Will)
38イタリア貴族殺害事件 (The Adventure of the Italian Nobleman)
39チョコレートの箱 (The Chocolate Box)
40死人の鏡 (Dead Man’s Mirror)
41グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件 (Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)
42ポワロのクリスマス (Hercule Poirot’s Christmas)
43ヒッコリー・ロードの殺人 (Hickory Dickory Dock)
44ゴルフ場殺人事件 (Murder on the Links)
45もの言えぬ証人 (Dumb Witness)
46アクロイド殺人事件 (The Murder of Roger Ackroyd)
47エッジウェア卿の死 (Lord Edgware Dies)
48白昼の悪魔 (Evil Under the Sun)
49メソポタミア殺人事件 (Murder in Mesopotamia)
50五匹の子豚 (Five Little Pigs)
51杉の柩 (Sad Cypress)
52ナイルに死す (Death on the Nile)
53ホロー荘の殺人 (The Hollow)
54青列車の秘密 (The Mystery of the Blue Train)
55ひらいたトランプ (Cards on the Table)
56葬儀を終えて (After the Funeral)
57満潮に乗って (Taken at the Flood)
58マギンティ夫人は死んだ (Mrs McGinty’s Dead)
59鳩のなかの猫 (Cat Among the Pigeons)
60第三の女 (Third Girl)
61死との約束 (Appointment with Death)
62三幕の殺人 (Three Act Tragedy)
63ハロウィーン・パーティ (Hallowe’en Party)
64オリエント急行の殺人 (Murder on the Orient Express)
65複数の時計 (The Clocks)
66象は忘れない (Elephants Can Remember)
67ビッグ・フォー (The Big Four)
68死者のあやまち (Dead Man’s Folly)
69ヘラクレスの難業 (The Labours of Hercules)
70カーテン〜ポワロ最後の事件〜 (Curtain: Poirot’s Last Case)
約四半世紀、ポワロを演じきったデヴィッド・スーシェ氏はもうポワロ役を引き受けることはないと語っています。ただ「ABC殺人事件」だけはそのストーリーの素晴らしさを気に入っており、再演するならぜひ映画化したい作品だそうです。

「名探偵ポワロ」ここにも注目!

海外ミステリードラマ「名探偵ポワロ」に登場するゲストの中でコテツが惹かれるゲスト出演者をしぼりにしぼって3人だけご紹介します。繰り返しますが、シェークスピアの国の役者です。

小道具ではなくひとりひとりの役者が臨場感を演出できます。個性派といわれる人たち。

▶ブリジット・フォーサイス(Brigit Forsyth):第1話「コックを捜せ」のトッド夫人役。独特の声と台詞回しで役になりきる実に存在感のある才能豊かな女優さんでした。イギリスドラマの人気が衰えないのはこんな役者さんの存在が大きい。

▶ドナルド・サンプター(Donald Sumpter):第31話「ABC殺人事件」で犯人に仕立てられたセールスマンの役どころ。小市民的な怯え方と不可解な不気味さを漂わせ、ヒッチコックを連想させるサスペンス色の強い作品になった。

▶オリヴァー・フォード・デイヴィス(Oliver Ford Davies):第46話「アクロイド殺人事件」の語り手であり犯人でもあるというジェームズ・シェパード医師。オックスフォード大学演劇協会の会長も務めた筋金入りのブリティッシュ。一見穏やかな風貌の陰に一癖も二癖もある役どころが多い。

Hulu海外ミステリーお奨め3「シャーロック・ホームズの冒険」

(英国ポーツマス出身のグラハム・ティラー, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

シャーロック・ホームズを語らずして海外ミステリーは語れませんが、あまりに有名すぎてわざわざ取り上げるのもはばかられるベーカー街221B!

アーサー・コナン・ドイルが書いた原作からあまたのドラマや映画が生まれました。こちらでご紹介するのはもちろん、あのホームズです。

「シャーロック・ホームズの冒険」作品のあらまし

ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」(1984年〜1994年)は、原作に最も忠実と評される英国グラナダTV製作のドラマシリーズです。19世紀末のロンドンを舞台に、名探偵ホームズが圧倒的な観察力と推理力で難事件を解決する、格調高く重厚なミステリードラマの最高峰。シリーズは全41話で構成されています。

Huluの放映順に並べてみました。

タイトル
1ボヘミアの醜聞 (A Scandal in Bohemia)
2踊る人形 (The Dancing Men)
3海軍条約事件 (The Naval Treaty)
4美しき自転車乗り (The Solitary Cyclist)
5まがった男 (The Crooked Man)
6まだらの紐 (The Speckled Band)
7青い紅玉 (The Blue Carbuncle)
8ぶなの木屋敷の怪 (The Copper Beeches)
9ギリシャ語通訳(The Greek Interpreter)
10ノーウッドの建築業者(The Norwood Builder)
11入院患者(The Resident Patient)
12赤髪連盟 (The Red-Headed League)
13最後の事件(The Final Problem)
14空き家の怪事件 (The Empty House)
15プライオリ・スクール(The Priory School)
16第二の血痕(The Second Stain)
17マスグレーヴ家の儀式(The Musgrave Ritual)
18修道院屋敷(The Abbey Grange)
19もう一つの顔 (The Man with the Twisted Lip)
20六つのナポレオン(The Six Napoleons)
21四人の署名 (The Sign of Four)
22悪魔の足(The Devil’s Foot)
23銀星号事件(Silver Blaze)
24ウィステリア荘(Wisteria Lodge)
25ブルース・パーティントン設計書(The Adventure of the Blue Carbuncle)
26バスカヴィル家の犬 (The Hound of the Baskervilles)
27レディー・フランシスの失踪(The Disappearance of Lady Frances Carfax)
28ソア橋のなぞ(The Problem of Thor Bridge)
29ショスコム荘(The Adventure of Shoscombe Old Place)
30ボスコム渓谷の惨劇(The Boscombe Valley Mystery)
31高名の依頼人(The Adventure of the Illustrious Client)
32這う人 (The Creeping Man)
33犯人は二人 (The Mazarin Stone)
34サセックスの吸血鬼 (The Sussex Vampire)
35未婚の貴族 (The Noble Bachelor)
36三破風館 (The Three Gables)
37瀕死の探偵 (The Dying Detective)
38金縁の鼻眼鏡 (The Golden Pince-Nez)
39赤い輪 (The Red Circle)
40マザランの宝石 (The Mazarin Stone)
41ボール箱 (The Cardboard Box)

「シャーロック・ホームズの冒険」ここにも注目!

ホームズの盟友ワトソンと宿敵モリアーティにスポットを当てたいと思います。

▶ワトソン役は途中で交代:初代ワトソンはエリック・ポーター(Eric Porter)、2代目がエドワード・ハードウィック(Edward Hardwicke)です。どちらも温かみのあるホームズの善良な友としてジェレミーのクールな演技を支えました。お二人とも「名探偵ポワロ」」にも出演しているので探してみてください。

▶モリアーティといえば:BBC「シャーロック」ではアンドリュー・スコット(Andrew Scott)がモリアーティとして異彩を放ちました。おそらくモリアーティというと今では多くの人が彼を思い浮かべるのではないでしょうか。コテツのシャーロックはやはり、エリック・ポーター(Eric Porter)です。原作のイメージそのままのモリアーティ教授でした。ホームズと共に落ちたライヘンバッハの滝は世界中からファンが集まる観光名所です。

子どものころに読んだホームズは本当に怖かった。特に「まだらの紐」「踊る人形」「赤毛連盟」は思い出すだけでトイレに行けなかったよ〜。グラナダ版の成功は、ジェレミー・ブレッドによるところが大きいし彼こそがホームズ。ただ、挿絵のホームズも忘れられないし、コナン・ドイルがライヘンバッハの滝からホームズを復活させてくれたのを(本で)知ったときは本当にうれしかったな。

Hulu海外ミステリーおすすめ4「ミス・マープル」

(イーストストリートのブループラーク(バッシャー・エア作), CC BY-SA 2.0)

「ミス・マープル」も「名探偵ポワロ」と同じくアガサ・クリスティ原作の名作です。穏やかでありながら鋭い観察力を持つ老婦人探偵が活躍します。

舞台は田舎町の共同体で、人間関係の歪みや長年のしがらみが事件の起点になることが多く、心理劇としての深みがあります。

映像は落ち着いた色調で、登場人物のしぐさや会話から動機を読み解く楽しさが特徴です。

暴力描写は控えめで、社会的な謎解きと人間ドラマを楽しみたい方に向いています。

「ミス・マープル」作品のあらまし

ミス・マープル(ジェーン・マープル)は、エルキュール・ポアロと並び称される世界で最も有名な女性探偵の一人です。ミス・マープルは、12の長編と20の短編に登場します。

ロンドン郊外の架空の村、セント・メアリ・ミードに住み、編み物やガーデニングを趣味とする上品な老婦人です。

原作のミス・マープルシリーズは、早川書房(クリスティー文庫)から全巻刊行されています。その親しみやすいキャラクターから、多くの映画やドラマが制作されているミス・マープル。

こちらでご紹介するHuluでみることのできるミス・マープルは、ジョーン・ヒクソン版(BBC制作)/ジェラルディン・マキューアン版(ITV制作)/ジュリア・マッケンジー版(ITV制作)の3つです。

ジョーン・ヒクソン版

ジョーン・ヒクソン演じるミス・マープルはアガサ・クリスティーのお墨付きです。1940年代にヒクソンさんの舞台を観たクリスティーが「いつか私のミス・マープルを演じてほしい」と手紙を送ったという有名なエピソードが残っています。ミス・マープルを演じることになったとき、ヒクソンさんはすでに80代でした。

ヒクソン版が日本で放映されたときの吹き替えは山岡久乃さん。彼女の品のある声と演技が原作のイメージにぴったりで「「マープルにはこの声以外考えられない」という根強いファンが数多く存在します。

近年でも、リマスター版や完全版DVDが発売されると、山岡久乃さん版の吹き替えが収録されていることが購入の決め手になるほどです。Huluには字幕版しかありませんので、吹き替え版を望む声が強いのも大いに納得できます。

普段は字幕派の人であっても、この作品に関しては「山岡久乃の吹き替え一択」と評されるほど、吹き替え版のクオリティが高く評価されているそうです。コテツも間違いなくその一人。これだけはDVD見てみてください!山岡久乃=ジョーン・ヒクソンです!

Huluで見ることのできるヒクソン版のミス・マープル(1984年〜1992年放映)は、次のような編成になっています。

<シーズン1>

1書斎の死体(The Body in the Library)
2動く指(The Moving Finger)
3予告殺人(A Murder Is Announced)
4ポケットにライ麦を(A Pocketful of Rye)

<シーズン1>

5牧師館の殺人(The Murder at the Vicarage)
6スリーピング・マーダー(Sleeping Murder)
7バートラム・ホテルにて(At Bertram’s Hotel)
8復讐の女神(Nemesis)

<クリスマス特番として放映された作品>

9パディントン発4時50分(4.50 from Paddington)
10カリブ海の秘密(A Caribbean Mystery)
11魔術の殺人(They Do It with Mirrors)
12鏡は横にひび割れて(The Mirror Crack’d from Side to Side)

ジェラルディン・マキューアン&ジュリア・マッケンジー版

Huluではヒクソン版のほかにも「アガサ・クリスティー ミス・マープル」(イギリスITVとアメリカWGBH-TV共同のテレビドラマ)全6シーズンが配信されています。

シーズン1〜3(2004年〜2007年、計12エピソード)まではジェラルディン・マキューアン (Geraldine McEwan)が演じ、4〜6(2009年〜2013年、計11エピソード)はジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie)です。

華やかで勝気な感じのマキューアンさんマープル、知性的で落ち着いたマッケンジーさんマープル、どちらもヒクソンさんマープルとは全く違う持ち味で楽しませてくれます。

制作年代が新しい分、ゲストは今も活躍中の有名どころの役者です。癖のあるイギリス人を巧みに演じています。

「ミス・マープル」ここにも注目!

ヒクソン版のミス・マープルのコテツ的見どころです。

▶英国の伝統的風物詩!古きイギリスの文化や田園風景を大満喫できる。ミス・マープルはつつましい暮らしをしている設定だが、自宅はザ・イングランド!コッツウォルズかどこかの「イギリスで一番美しい村」に在りそうな家。もちろん、ガーデニングの粋を凝らした庭も含めて。

▶ヤマウズラが大好き!ミス・マープルもアフタヌーンティーをたのしむ英国女性。シードケーキにマフィンにスコーン。めったには食べられないけれど好物のマロングラッセ。そして別々の作品の中で繰り返し出てくるヤマウズラ!お金があったら丸ごと食べてみたいとまで言わしめるヤマウズラ(partridge)はローストで食べるのが一般的。

▶目は口ほどにものを言う!ミス・マープルの碧い目に注目!きらりと光る瞬間がある。疑惑が生まれたか或いは確信したかのどちらか。演技力のない人は大げさに表情を作りがちだけれど、ヒクソンさんは目で静かに語る。

アガサ・クリスティーはポワロについては持て余し気味でしたが、ミス・マープルはお気に入りのキャラクター。クリスティー自身の生育環境や家族を投影している人物なのでしょう。生まれ故郷のトーキーはロケ地としても登場します。観光地なので有名なホテルやお店がたくさんありますが、Weavers Cottage Tea Gardenは特におすすめです!ミス・マープルも大好きなスコーンに添えてあるクロテッドクリームが超美味しい!

Hulu海外ミステリーおすすめ4選は古くて新しい!

Huluで視聴できる海外ミステリーの中でおすすめの古典的名作を4つご紹介しました。

ミステリーにありがちな煽情的な手法に頼らず、ミステリーそのものの成熟度・完成度が高い作品ばかりです。

脚本演出の素晴らしさと、主役脇役を問わず芝居であることを忘れさせる迫真の演技力に魅せられます。制作されてからかなり時間が経ちましたが、何度見ても常に新鮮なエンターテインメントです。

1.「刑事コロンボ」
2.「名探偵ポワロ」
3.「シャーロック・ホームズの冒険」
4.「ミス・マープル」

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人生は仮の宿り。持たない暮らしを追い求めて今はやりのサブスクリプションサービスを徹底調査しています。サブスクのメリットもデメリットも本音で語りたいコテツです。