こんにちは、花を愛でるコテツです。
同好の士のみなさんは、どこで花を買っていらっしゃいますか。
自宅用の切り花・供花・ギフトなどシーンが異なれば花の種類も異なりますね。
いつでも希望の花が手に入り、価格も比較的安い、そんな購入先がご近所に一つあればどんなに便利でしょう。花難民として花サブスク界隈まで出没するコテツは、人気の購入先を調査することにしました。
花が買えるのはどこ?
花を購入する場所は多岐にわたりますが、まずは一般的な購入先を見ていきましょう。
花屋さんはもちろんのこと、ショッピングモールやスーパー・ホームセンターからオンラインショップやサブスクリプションサービスにいたるまで、さまざまな選択肢があります。
それぞれの特徴や利点を理解することで、より良い選択ができるでしょう。
専門性ならもちろん花屋さん
「餅は餅屋」「花は花屋」!
花の購入先としてまず思い浮かぶのはなんといっても花屋さん。
花屋の主な特徴は、専門性と技術・商品の鮮度管理・季節ごとの商品・そして顧客の想いに寄り添う接客にあります。
―専門性と技術―
花の知識と技術: 花や植物の種類・特徴・手入れ方法に関する深い知識をもっている
フラワーアレンジメント: 花束・アレンジメント・スタンド花など用途や場面に応じたデザイン・制作を行う専門技術がある
―業務の特徴―
鮮度と品質管理: 生花を扱うため、常に新鮮な状態を保つための水揚げ・温度管理・手入れの作業は想像以上に重労働で体力が必要とされる
季節性: 季節によって入荷する花材が変化し店舗の品揃えやディスプレイもそれに合わせて変わる
多様な業務: 接客販売・仕入れ・在庫管理・制作・店舗ディスプレイ・配達業務など、業務内容は多岐にわたる
―顧客サービス―
丁寧な接客: 顧客は様々な目的(祝い事・仏事・自宅用など)で花を買いに来るため、その背景にある「想い」を汲み取り適切な提案をすることがとても大切
カスタマイズ性: 既製品だけでなく顧客の具体的な要望(色合い・予算・贈る相手の特徴など)に基づいたオーダーメイドのアレンジメントを提供する
―店舗の種類による違い―
個人経営店: 客との距離が近くアットホームな雰囲気で、店主やスタッフの個性が反映された独自の品揃えやデザインが特徴
チェーン店: マニュアルや教育制度が整っており全店舗で一定の品質やサービスを提供
花屋は、花を通じて人々の生活に彩りや癒やしを提供し、想いを形にする役割を担っています。
ショッピングモールやスーパーの花
ショッピングモールやスーパーでは、切り花や鉢植え、すぐに飾れるミニブーケなどが販売されています。専門の花屋に比べて手頃な価格で気軽に購入できるのが長所です。
次のような特徴があります。
―価格と品質―
一般的に専門の花屋よりも価格設定が安価で日々の買い物ついでに気軽に購入できる。入荷から陳列までのサイクルが速い場合が多く、比較的鮮度の良い状態で販売されていることもある。
―品揃え―
バラ・ガーベラ・カーネーション・チューリップ・ユリ・カスミソウなど、人気があり日持ちしやすい定番の種類が多い。季節に応じてヒマワリ・アジサイ・コスモス・桜なども並ぶ。切り花の花束(ブーケ)や手入れが簡単な鉢植えが主流。
―購入のしやすさ―
食品や日用品の買い物と同時に購入できる利便性が最大の魅力。セルフ販売形式が多いため、店員と対話することなく自分のペースで選べる。
―ターゲット―
特別な日の贈り物というよりは、自宅用やちょっとしたプレゼントなど日常的な需要を想定している。
ホームセンターの花
ホームセンターの主要顧客は、庭いじりや家庭菜園を目的とした鉢植えや苗木を求める傾向が強く、ガーデニング用品の品揃えに重点が置かれています。
ホームセンターでは、切り花がまったくないわけではありませんが、鮮度の維持が難しいために目立たないことが多いです。
ホームセンターで販売されている花(植物)の主な特徴は、価格の手頃さ・品揃えの豊富さ・育てやすさを重視した品種が多い点にあります。
―価格の手頃さ―
専門店に比べて比較的安価な商品が多く、コストパフォーマンスが良い傾向にある
―豊富な品揃え―季節に合わせた花苗や鉢植えが豊富に並び、訪れるだけで楽しめる。定番の品種やよく見かける品種は、大抵揃っている
―育てやすさ―初心者でも育てやすい、性質の強い品種が多い。乾燥に強い、長く開花するなど、手入れの手間が比較的少ない品種が揃っている
―ガーデニング用品の充実―花苗だけでなく、園芸用の土・肥料・鉢・シャベルなどガーデニングに必要な道具や資材もまとめて購入できる利便性がある
―鮮度のばらつき―専門店に比べると、花の等級が低い場合があったり、管理状態によって鮮度にばらつきがあったりする。花を大切に扱っている店舗を選ぶことが大切。
―情報提供―大手のホームセンターでは、ウェブサイトなどで植物図鑑や育て方ガイドを提供しているところもあり、購入後のサポート情報も得られる。
道の駅や農産物直売所
道の駅・農産物直売所の花は、「季節性」「地域性」「手作り感」「生産者とのつながり」が特徴です。その時期に、その地域で栽培されたばかりの多様な品種が、生産者の手によって魅力的に陳列されています。
道の駅・農産物直売所で買える花の具体的な特徴は次のとおりです。
―抜群の鮮度―
・直売方式: 生産者(農家)が朝採りした花を、中間流通業者を介さずに直接店舗に持ち込むため、流通過程が非常に短く、鮮度が保たれている
・日持ちの良さ: 採花されてからの時間が短いため、購入後の日持ちが良いことが大きな魅力
―比較的安価な価格―
・中間マージンの削減: 市場や一般的な花屋を通さないため中間マージンや輸送コストが発生せず、その分安価に購入できることが多い
・生産者が価格設定: 各生産者が自身で価格を設定できるため市場価格に左右されすぎず、適正な価格で提供される
―地域の季節感が強い―
・旬の地元の花: その地域でその時期に栽培されている旬の花が中心
・多様な種類: 系統出荷(市場への出荷)用の規格外品や、少量多品目の栽培など、直売所ならではの多様な種類の花や珍しい草花が見つかることもある
―生産者の顔が見える安心感―
・情報提供: 野菜と同様に、花にも生産者の名前や写真、おすすめの飾り方などが記載された値札シール(バーコード付)が付いていることが多く、誰がどのように育てたかが分かる
・直接支援: 消費者は生産者を直接支援する形になるため、精神的な満足感も得られる
道の駅や農産物直売所の花は、市場では手に入りにくいような採れたての新鮮で多様な季節の花を、手頃な価格で楽しみたい人にとって魅力的な選択肢となります。
花のオンラインショップ
花のオンラインショップの特徴は、24時間いつでもどこからでも注文できる手軽さ・全国配送や当日配送に対応している利便性・実店舗では難しい豊富な品揃えや専門性の高いサービス・そして商品が自宅に直接届くことです。
また、配送前の写真確認サービス・ポイント制度・予算に応じた選びやすさなど、独自のメリットも提供しています。
花のサブスクリプションサービス
花のサブスクの主な特徴は、プロが選んだ花が定期的に届くこと・定額制で利用できること・ポスト投函や宅配など多様な配送方法があることです。その他、デザインやカラーを選べたり、情報冊子が付いてきたりするサービスもあります。
手前味噌でまったくもって恐縮ですが。花のサブスクについては別記事をご覧ください。
【関連記事:「花のサブスク・定期便は安いか高いか?こんな世の中だからこそ!」】
総務省の調査による花の購入先
花の購入先についてのデータは、総務省の家計構造調査からも得られます。各家庭がどのように花を購入しているのか、またその傾向がどのように変化しているのかを知ることができる調査です。
消費者のニーズや市場の動向を把握することができ、より良い購入先を選ぶ参考になります。
総務省の家計構造調査とは?
総務省の「全国家計構造調査」(かつての「全国消費実態調査」)とは、家計の消費、所得、資産、負債の実態を総合的に把握し、所得分布や消費の水準・構造を明らかにするための、5年ごとに行われる調査です。
この調査は、国民年金・介護保険料・生活保護などの社会保障制度の検討や、税制改正の効果予測など、重要な政策立案の基礎資料として利用されます。
調査項目は次のとおりです。
〇日々の家計の収入と支出(家計簿)
〇年間収入
〇預貯金などの金融資産・借入金
〇世帯構成、世帯員の就業・就学状況
〇現住居の状況(床面積・建築時期など)
切り花の購入先の変化
農林水産省は、総務省の客観的な家計データを基礎資料として利用し、それに加えて独自の「花の消費選好調査」などを行い、消費者の行動や意識に関する詳細な情報を収集・分析しています。
2023年の花の購入経路に関する主な分析結果の特徴は、「花屋」が依然として主要な購入先であるものの、「スーパー」での購入が大きく伸長しているという点です。

「花屋」は、消費者が花を購入する経路として最も一般的であり、購入者の7割以上(76%)が利用しています。専門性・品揃え・店員の対応など花屋ならではの持ち味が評価されているのでしょう。
一方、「スーパー」は、2023年に購入経路としての利用率が大きく伸び、40%に達しました。これは、他の買い物のついでに気軽に立ち寄れる利便性や、比較的低価格な商品提供が消費者に受け入れられていることを示しています。
シーン別のおすすめの購入先と相場
花を購入する目的はさまざまです。
2023年「花の消費選好調査」によれば、購⼊場⾯の首位は「墓参り」44%(2022年35%)で、「⾃宅の装飾⽤」39%(同42%)を上回りました。これは、外出自粛で控えていた墓参りが再開された影響などが考えられます。
【関連記事:「誰が何のためにどんな花を買うのか?」購入調査からみえる花のある暮らし】
シーンによって、最適な購入先や価格の相場は異なります。
お墓参りやお祝い、自宅に飾る花など、目的に応じた購入先を選ぶことで、より満足のいく花を手に入れることができます。
ここでは、シーン別におすすめの購入先とその価格の相場について詳しく見ていきましょう。
お墓参りやお彼岸の供花
お墓参りやお彼岸の供花は、購入先によって価格・花の質・品揃えが異なります。一般的に、1束あたり400円〜1,500円、一対(2束)で800円〜3,000円程度が相場とされていますが、アレンジメントや特別な花の場合は3,000円〜5,000円以上になることもあります。
主な購入先とそれぞれの特徴、価格相場は次のとおりです。
| 購入先 | 特徴・メリット | 価格相場(1束あたり) |
| スーパー・ホームセンター | 価格が手頃で買いやすい。お墓参り用の仏花としてまとめられた状態で売られていることが多い。自分で花を選んで調整する人に向いている。 | 400円 〜 1,000円程度 |
| 花屋(実店舗・オンライン) | 品質が良く、鮮度が高い。宗派や地域の慣習に合った花や、希望に応じたアレンジメントを相談できる。オンラインショップでは全国配送も可能。 | 800円 〜 2,000円程度(アレンジメントなどは3,000円〜5,000円以上) |
| 墓地・霊園近くの売店 | お墓参りの直前に購入でき、その地域や墓地のルールに合った花が揃っていることが多い。 | 比較的手頃な価格帯が多いが、場所による。 |
自宅に飾る花
自宅に飾る花の購入先と価格相場は、求める花のスタイルや予算によって異なります。一般的に、スーパー・オンライン通販・サブスクの定期便は手頃な価格で日常使いに適した購入先です。特に品質やアレンジにこだわった花が欲しいときは街の花屋さんが向いています。
| 主な購入先 | 価格相場(目安) |
| スーパー | 1束 500円〜1,000円程度 |
| 街の花屋さん | 1本 100円〜500円程度(花の種類による)ミニブーケ 1,000円〜2,000円程度 |
| オンライン通販 | 1,000円〜3,000円程度の自宅向けセットが多い。送料が別途かかる場合がある |
| 花のサブスク | 月額 1,000円〜3,000円程度(プランによる) |
| ホームセンター/直売所 | スーパーと同程度か、より安価な場合もある |
お祝い用の花束
お祝い用の花は、街の花屋さんやオンラインショップが主な購入先になるでしょう。
花屋さんには新鮮な花が多く、店員さんに相談しながら花の種類やアレンジメントを決めることができます。そのため、贈る相手やシーンに合わせた細やかな対応が可能です。オーダーメイドもできます。
遠方に送る場合や、特定の種類の花(胡蝶蘭など)を探している場合、忙しくて店舗に行けない場合はオンラインショップが便利です。豊富な種類から選べ、価格比較もしやすく、カードを添えることもできます。
花は目的に合わせた場所で買う
花を購入する場所は多岐にわたり、それぞれの特徴や利点があります。
購入先として最も多いのは専門性が高く対面で買える花屋さんです。次にスーパーが需要を伸ばしていることが調査結果から明らかになっています。
シーンや予算に応じて購入先を使い分けるのがおすすめです。

